アートフェア東京2016

アートフェア東京には、あたかも普段は遠方に住む親族が冠婚葬祭に集まるような大家族的な様相があり、日本という土地柄を強く反映したビジネスは今回も例年通りだ。あらゆる類のアートを受け入れ、一般市民に目線を合わせたこのフェアの方針は度々批判に晒されているが、それに取って代わりうる相応なフェアがないことを思えば、このフェアの存続それ自体をひとつの達成だと見ることができるだろう。

官僚機構と密に連携してアートを促進するという前提からも、アートフェア東京はより見栄えのする数字や当たり障りのない言葉へと向かう傾向があり、会場の東京国際フォーラムの空間は、11年目にして過去最多となる157の出展ギャラリーによって各々の明るさのキュービクルへと小刻みにされている。

このファスト・ファッション的な成功法則が、果たしてより大きなセールスに結びついたかどうかは公式な統計がなく、良い作品を探すにはいつものことながら会場の隅々まで歩き回るしかない。とは言え、小規模ながらも良質な展示を行う大手ギャラリーは言うまでもなく、他にもmatchbacoとAsakusaギャラリーという注目すべき新たなふたつのギャラリーの登場や、名古屋画廊での吉原治良の近年発見されたスケッチ群、Ando Galleryでのリカルダ・ロッガン、丸栄堂での井上有一、Takuro Someya Contemporary Artでのラファエル・ローゼンダール、シュウゴアーツでの三嶋りつ恵、加島美術での比田井南谷、そして、タカ・イシイ・ギャラリーでの規模の大小を問わぬ常に印象的なコスモポリタン的セレクションなど、発見は尽きない。

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