Freedommune Zero One Thousand 2013

テクノロジーの申し子にして啓発家である宇川直宏が立ち上げた革新的なライブ・ストリーム・チャンネル「Dommune」の二周年を記念する東日本大震災被災地支援イベント「DOMMUNE FREE FESTIVAL - FREEDOMMUNE 0 <ZERO> ONE THOUSAND 2013」が開催された。

日本の伝統的メディアの味のないガムのような陳腐なセレクションを越えた、質の高いエンターテイメント性を有したパフォーマーたちの貴重なステージであるこのフェスティバルには、国外にはほとんど知られていないが最も重要なオルタナティブな音楽家たちが集められた。数多くのラインナップの中でも際立っていたのは、ノイズシーンの大御所であり、ソニックユースとも度々コラボレーションを行うボアダムス率いる、畏怖の感情さえ起こさせる91台のドラム軍団「ボアドラム」だ。フェスティバルの日付を彷彿とさせる(7/13 = 7*13=91)91組という前例なき数のドラマーたちを従えた交響楽団級のこのグループの二時間以上にもわたるトライバルなリズムの演奏は、ドームの空冷システムを無効化するほどの熱気を創り出していた。そして物質と精神のバランスを取るかのようなオーガナイザーの采配によって、ボアダムスの直後には著名な文筆家でありアクティヴィストにして尼僧という瀬戸内寂聴が続いた。91才(まさに魔法の数字だ)の尼僧は、豊かな人生経験から得た知恵とユーモアに溢れた教えを混ぜ合わせるという彼女ならではの語り方で聴衆を勇気づけた。

宇川直宏によるこの野心的な試みは単にそれだけでも称賛されるべきものだが、その中心にあるすばらしい主張、そして、市民によるアクティヴィズムを新たな高みへと持ち上げる新たなイニシアチブも等しく讃えられるべきだろう。すべて同じに見えるクローン人間のようなJポップ音楽に十分に対抗することのできる、オルタナティブなアーティストと彼らの活動を支えるだけのファンがいるという事実をこのフェスティバルは証明したのだ。

Prev / Next 1/