Graffiti

MQ(アメリカ)、HORFEE(フランス)、WANTO、そしてROUSOKU(共に日本) ― 精力的に活動する四人のグラフィティ・ライターがアート・プロジェクト/グループ展「Graffiti」のため成山画廊に集結した。ギャラリーからの型破りな提案に応じ、四人は作品の展示に先駆けて壁中に直接タギングを行っており、その空間は彼らのファインアートに対する領域侵犯を象徴的に示している。

現代美術がグラフィティを扱うようになってからの長い歴史にも関わらず、数少ないブレイクスルーを例外とすれば、アートの権威はグラフィティをほとんど無視してきた。この問題の根本はグラフィティのアナキスティックな本質にある。ひとたびグラフィティがその生態圏であるストリートを離れてコマーシャルギャラリーという空間に取り上げられると、そのライターのストリートでの評判は失墜する。それでもなおアートの世界へと向かうライターたちは、そこで匿名と自由という彼らの根幹から引き剥がされ、それゆえにビジュアル的なスタイルを主な武器として勝負を挑まねばならない。しかし、それだけではアートの世界で敬意を集めることも決して容易ではない。したがって、ライターの多くはアートには敢えて関わらないか、この展示のように、自分たちの作法を突き通すことになる。グラフィティの暗黙の掟に忠実に彼らは束縛のない気ままな生活を選ぶ。今日ではほとんど誰もが求めるような職業作家としてのキャリアと比較的安定した収入などにこだわりはない。あるいは、長年ボミングを続けてきたMQの言葉を借りれば、ただひたすらに「グラフィティに憑りつかれている」。それが彼らの衝動なのだ。展示は3月7日まで開催。

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