五木田智央:The Great Circus

20世紀アートの傑作の数々を有するDIC川村記念美術館のパーマネント・コレクションの豊かさを思えば、そこでの展示はこの時代を生きるどのアーティストにとっても困難な挑戦として立ちはだかるだろう。だが、五木田智央は美術館での初めての回顧展となる「The Great Circus」で他の誰でもない確固たる存在感を示した。

イラストレーターとして活動を始めた五木田は最小の手段で最大の効果を生み出す術を心得ており、展示されたモノクロームのイメージは強い確信に貫かれている。極限まで高められたコントラストは、無理解な人間による複製においてさえ作品の本質を伝えることを可能にしている。音楽アルバムのジャケットのような率直なインパクトは五木田智央というアーティストの最大の強みだ。また、彼の活動における最大の弱みであった日本土着のアート界の権威からの度重なる懐疑的な視線さえ、国外で大きな成功を収めた今は、彼をアーティストとして認めようとする視線へと変わりつつある。展示は12/24まで開催。

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