ヴィヴィアン・サッセン:Umbra

「身体の影と呼ばれるもの、それは身体の影ではなく、魂に与えられた身体なのだ」
オスカー・ワイルド 『柘榴の家』

 

ヴィヴィアン・サッセンがオランダ写真美術館のコミッション作品として制作した写真シリーズは、人間の精神世界のメタファーとしての影の追及であり、ラテン語で「影」を意味する「Umbra」という題が与えられている。そこでは幾何と自然、理性と感情、秩序と混沌、否定と肯定といった対立が入れ替わり立ち代わり現れる。舞台となるのはアフリカ、西洋文明という私たちの集合意識にとって無意識の位置を占めるものだ。相対するものが出会い溶け合う衝突の在り処を、漆黒の影が縁取っていく。

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