横浜トリエンナーレ2014

一方で心底から満足したという声があれば、他方ではより説得力のあるものにすることができたはずだという声もあるように、ほとんどの展示には賛否両論がつきものである。しかし、公平に比較しても横浜トリエンナーレ2014の大いなる展望は日本において他に匹敵するものがないと言えるだろう。本年度のディレクター・森村泰昌が「華氏451の芸術:世界の中心には忘却の海がある」と名付けたこの展示は、膨大な情報に囚われた来場者をそこから掬い上げ、何かを自ら発見する喜びへと彼らを導こうとしている。

十一章からなる一冊の書籍というアイデアに基づいて構成されていることを考慮しても、前提知識と解説を抜きには理解できない作品が多いことは皮肉なことだが、それでもなお、展示を前にしての熟考から得られるものは計り知れない。繰り返し足を運ぶことが望まれる展示である。

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