興梠優護

夜明け前の暗い時間から、日の出までの間、山中でただただ風景を見続けていることがあります。

初めは、曖昧で存在していなかったかのような暗闇の塊が、気づかない程にゆっくりと、次第に染みこむように色を帯び、徐々に光をまとって目の前に立ち現れていく姿は、土地の記憶までをも呼び覚ますかのような、原始性を携えます。

この画面は捉えるには余りに巨大で曖昧で、移ろい変容していく色や光の、網膜に残された記憶の一旦です。

 

興梠優護

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